How Deep Is The Jazz

Jazzの研究とJazz Guitar練習記

2016年 よく聴いたジャズのアルバム 10枚

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2016年もそろそろ終わりということで、2016年によく聴いたアルバムを10枚あげてみました。 意外とジャズばっかりでした。 ジャズが好きでギターをやる方なら気に入ってくれるかもしれません。

Jim Hall Live Vol 2-4 / Jim Hall

ArtistShareからのボックスセットが入手困難なので、iTunesAAC版を7500円で買いましたが、これがすごい。内容は名盤「LIVE!」相当のアルバムが3枚増える、と考えていいです。なんとかボックスセット版を入手したい(ハイレゾデータ版が付いて4枚組とのこと)。

Undercurrent, Intermodulation / Jim Hall & Bill Evans

UNDERCURRENT

UNDERCURRENT

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Intermodulation

Intermodulation

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一番の研究対象のこの二枚、今年もよく聴きました。コピーした曲は違う風にも聴こえてくるので、来年もまだまだ聴くことになりそうです。 合計 12曲中、コピーを終えたのはまだ二曲。先は長いです。

Jam Ka Deux / 小沼ようすけ

クレオールジャズという新しいジャンルに挑戦されている小沼さんの作品(ジャムカの2作目)。

小沼さんを聴き始めたのはHOP STEP JAZZ!

intermodulation.hatenablog.com

がきっかけですが、すっかりハマってしまっていて、本作も発売以来毎日リピート。 こんな風にジャズの即興性、演奏力を武器に新領域を開拓していきたいものです。それこそがジャズであるとも。

Valse Hot Sweet Basil 1978 / Jim Hall & Red Mitchell

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ただ発掘しました、ではなく当時のありえたかもしれない作品を今、リリースしたといった感じの正統派な発掘作品。 選曲も音作りも最高なわけです。その分、他の曲がリリースされませんでしたが。 Jim Hall の外せない作品が一枚増えました。AtristShareに拍手。 2ヶ月ぐらい毎日リピートで聴いています。来年も聴きそうです。

Equilibrium / Kristjan Randalu & Ben Monder

このDuoもよく聴きました。演奏力という点ではピアノとギターのDuoではトップクラスではないでしょうか。他の最近のDuo作品にはない特徴としては、スタンダードを演奏している点が上げられます。最先端のギターとピアノのDuoがスタンダードをどう解釈・演奏するのか。聴き込むとまだまだジャズは先へ先へと進むように思えます。

Free Flying / Fred Hersch & Julian Lage

これは僕の考える理想のサウンドに近くて、かなり聴いています。 ハーシュの曲にJulian Lageが入ると原曲にはない民族の匂いのようなものが付加されて、それが新しさに繋がっている、他のどのDuoにもないサウンドです。Pat Methenyは何をやっても広大な大地のような雰囲気が必ずありますが、Julian Lageも同様に何かの雰囲気を強く持っています。これは新世代で他の人にはない特徴ではないでしょうか。

Daydream Sounds / Libstems

https://itunes.apple.com/jp/album/daydream-sounds/id874290922?uo=4&at=1000lhe

ジョン・スコフィールドとは違うロック感をジャズに導入した画期的なアルバム、と言っていいのではないでしょうか。最初に聴いたときには思わずオーと声が出ました(僕はギターものの新し目なのはあまり聴いていないので、他にも重要な作品がたくさんあるのかもしれませんが)。 ジャズの文脈でディストーションを導入するとフュージョンになると思うのですが、本作はそうなってはおらず、2010年代の新しいジャズのサウンドになっているという不思議さ。それは新しい感覚を和田さんが持っているからなんでしょう。 と書くとギターものな感じがしますが、そんなことはなくて、アンサンブルが本当に素晴らしい、曲がかっこいい。これが日本の若い人達で作られているなんで、なんてこったい!というサウンド。オススメです。

Kind of Blue / Miles Davis

僕がジャズと言われてイメージするのはこのサウンドだったりします。今年もやたら聴きました。どうやらジャズで一番売れているアルバムみたいです。 歴史的な話としては、本作から事実上モード・ジャズが始まったという見解が一般的なようで、その際に要請されたのがビル・エバンスで、なぜならジョージ・ラッセルに師事していたから、というのと、ジム・ホールビル・エバンスにかなり影響を受けたことを表明している点はジャズ・ギター史においても重要かと思います。

いつか研究してやろうと狙っていまして、コーダル(和音、コード進行中心)なアプローチがある程度納得できるぐらい出来たら、と思っていますがいつになるやら。

We Are the Drum / Kendrick Scott Oracle

https://itunes.apple.com/jp/album/we-are-the-drum/id1030589834?uo=4&at=1000lhe

これもよく聴きました。一曲目からしてもだいぶヤバい感じですので、試聴オススメします。 サウンドとしては、超人ばっかり集まったらこうなるのかー系ですが、マイルスの第二期クインテット(黄金クインテット)の方向性を突き詰めるとこういうなるか、という感じです。やっぱりドラムが超人で、リズムがとんでもないレベルの場合、こういうサウンドになるように思います。 そして本作は マイク・モレノ がギターで参加しているので、ギターが加わった場合の先端の先端のジャズはこういうものだ、という雰囲気が味わえます。

2017年もよい音楽に出会えますように。