Undercurrent / Bill Evans and Jim Hall (2) 収録曲
Undercurrentの収録曲を調べてみました。
1. My Funny Valentine (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
スタンダード中のスタンダード。 一番有名なのはMilesの演奏でしょうか。
この速いテンポで演奏されるのはめずらしいと思います。
最初は曲名を見ていなければMy Funny Valentineに聞こえない人も多いのではないでしょうか。
この曲でJim Hallが4分音符ごとに違う和音を弾くパートがあって、それが"ハーモナイズド・ベースライン"という名前で有名です。
2. I Hear a Rhapsody (Jack Baker, George Fragos, Dick Gasparre)
こちらもスタンダード中のスタンダード。 My Funny Valentineでワーっと驚いて、次にこの曲のイントロでぐっときてやられた、という方も多いのでは。
この遅いテンポで演奏されるのは珍しいと思います。
Jim Hallが普通のテンポでLIVE!でやってます。 https://itunes.apple.com/jp/album/i-hear-a-rhapsody/id13490614?i=13594530&uo=4&at=1000lhe
3. Dream Gypsy (Judith Veveers)
Judith Veveers作曲とありますが、これ検索しても誰だか分かりません。誰かの変名じゃないでしょうか。他に作った曲も出てきませんし。 契約関係でクレジットを別の名義にしたんでしょうかね。 次のRomainがJim Hallのオリジナルですし、Bill Evansのオリジナルが入らないのはおかしい。曲調的にEvans作曲と言われても違和感ありませんので、ひょっとして。 後にElvin Jonesがやってたりします。
4. Romain (Jim Hall)
Jim Hallのオリジナル。ですが、これは不思議で、その後、たぶん演奏していません。 なんででしょうか。Jim Hallは結構自分のオリジナルを何度も何度も演奏・収録する人なんですがめずらしい。
5. Skating in Central Park
は John Lewis 作曲。
ジョン・ルイスはピアニストで、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のリーダー。
1959年リリースのMusic from Odds Against Tomorrowというサントラの一曲目。
Music from Odds Against Tomorrow - Wikipedia
6. Darn That Dream (Eddie DeLange, Jimmy Van Heusen)
は1939年リリースのスタンダード。
マイルスも、モンクも、チェット・ベッカーも、名だたる巨匠がやっていますね。
最近だと、カート・ローゼンウィンケルがやってます。
振り返りますと、(たぶん)それぞれのオリジナルが一曲づつ、スタンダードが3曲、当時としては新しめの曲が一曲という構成。 Intermodurationと同じ感じですね。ただMy Funny~がキャッチーなのとジャケットの美しさ、ギターとピアノのデュオの先駆けであることから、だいぶ今作が有名になった、ということではないかと思います。