2015/07/01 Apple Music開始。はたしてJazzは充実しているのか?
おそらく権利関係が問題で、なかなかよい聞き放題サービスの恩恵にあずかることができなかった日本ですが、とうとう大本命がサービス開始です。 三カ月は無料。音楽家にとっては三カ月は通常売り上げが無くなるでしょうから、あまりよいことではなさそうな感じがします。再生回数に応じて割り当て分配は入るのでしょうが、通常購入の金額を越えてくるのか?などなど是非は議論の余地がありそうですが、実際使ってみてどうなのか、Jazz限定で調べてみました。
はたしてJim Hall先生の曲は全部三カ月は無料で聴けるのか?
使ってみよう
まずはiOSを8.4にアップデートします。 Musicアプリのアイコンが変わるのでタップして起動するとこんな画面が出ます。
Individualを選択して、その後出る購入ボタンを押します。3ヶ月無料。
好きなジャンルと音楽家を教えてって言ってくるのでタップします。二回目タップすると円が大きくなります。 Jazzとコルトレーンを大きくして進みます。
初期設定が終わりました。 いきなりそれっぽい画面になりました。
このPlaylistよさそうですね。
Connectタブを覗くとロバートグラスパーがあったのでLoveしておきます。
曲が揃っているかどうかですが、たとえばPat MethenyはGeffen以降しかレベールが許可していない様子です。
The Road to Youを見てみると、ECM時代のFirst Circleが再生できません。また、Stil Lifeのオリジナルアルバムでは聞けるのに、このライブ盤ではThird Windが再生できません。ミスでしょうか。
TrioのLIVEは全曲聞けます。
どれぐらいの音楽家を網羅しているか
さて、Jim Hallで検索すると、ありそうです。
アルバム、かなりあります。こちらはMac版でのスクリーンショット。 IntermodulationもUndercurrentもあります。
しかし、ArtistShareが出しているJim hall (Live!) Vol2-4はありません。 この7500円するアルバムです。
Bill Evansはどうか。 僕が持っているものは全部ありそうな感じです。
僕の大好きなギタリスト、布川俊樹さんはどうでしょうか。 2枚ありました。
iTunes Storeにはこれだけあるので、二つは許可した、という感じでしょうか。
ちなみにこのChildhood's Dreamは福田重男(Piano)さんとのDuoなのですが、超絶お勧めです。
https://itunes.apple.com/jp/album/childhoods-dream/id456074865?uo=4&at=1000lhe
Mike Morenoもあります。
Adam Rogers
超大御所はどうでしょうか
と、きりがないですが、概ね有名どころはある、という感じしょうか。
所感
まず、これまで手を出していなかった音楽家に関連から飛んでなんでも聴けたりと、手持ちのものを繰り返し聴くスタイルから、その日の気分で知らないものを聴くスタイルに変わり、新しいものに出会う機会が増えそうです。 Playlistも魅力で、自分にはまるPlaylistを見つけられれば音楽の幅が広がりそうです。
セッションなどでやるから、この曲の演奏を色々探す、なんてことがよくありますが、試聴だとソロまで聴けなかったりするんで、フルで聴けるのはすごくメリットです。当然ですが。 よさそうと思ってカケで買わなくてよい。
Jazzの場合、超有名どころ、大御所を聴くだけでも果てしないので、これだけあればもはや聴き尽くすことは不可能です。 それが月980円となるともうCD買うなんていうのは本当になくなって、ライブの記念グッズで買うみたいになりそうです。 実際、ロバート・グラスパーの新作「COVERED」をCDで買おうと思っていたのですが、Apple Musicで聴けてしまうので買うことはなさそうです。
この状況は聞き手としては大歓迎ですが、これで音楽家の収入が増えるのかがやはり気になります。 とはいえ、音楽を買うこと自体は減少傾向でアクセス権へシフトしようとしているところだと思いますので、今まで買っていなかった人がお金を払うようになりそうだというのには希望がありそうです。
Apple Musicはジャズ限定では980円の価値は十分あると思いました。