Jim Hall / Now's The Time (1)
Valse Hot - Sweet Basil 1978、名盤ですね。
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今年の目標はブルースで(まー聞けるかなーレベルの)アドリブをできるようになることなので、Now's The Timeの耳コピをはじめました。
原曲と違うのは、冒頭で原曲が
ファ ファ ソ ド ファ
なところを
ファ ファ ソ (休) ファ
と弾いているところです。これでだいぶ雰囲気が変わります。
2017年 今年もよろしくお願いいたします
2017年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年は
- Jim Hallのコピーを進める
- コピーしたフレーズなどをBluesで出せるように
- セッションに参加してBluesで一曲弾く
を目標に頑張っていこうと思います。
去年は後半、あまりライブにいけなかったので、もりもり行きたいと思っています。
1/21 に早速、マイク・モレノのDuoを聴きに行きます。
新年初日は、以前にも紹介した小沼ようすけさんのPREMIUM ONEが12:00からやっていたので聴きました。 イントロは、Jam Ka DeuxからDuo Kaをソロ・フレットレスギターで演奏!
http://www.tokyosmart.jp/premiumone/magazine-detail/957www.tokyosmart.jp
Joshua Redman特集、面白いのでオススメです。
2016年 よく聴いたジャズのアルバム 10枚
2016年もそろそろ終わりということで、2016年によく聴いたアルバムを10枚あげてみました。 意外とジャズばっかりでした。 ジャズが好きでギターをやる方なら気に入ってくれるかもしれません。
Jim Hall Live Vol 2-4 / Jim Hall
ArtistShareからのボックスセットが入手困難なので、iTunesでAAC版を7500円で買いましたが、これがすごい。内容は名盤「LIVE!」相当のアルバムが3枚増える、と考えていいです。なんとかボックスセット版を入手したい(ハイレゾデータ版が付いて4枚組とのこと)。
Undercurrent, Intermodulation / Jim Hall & Bill Evans
一番の研究対象のこの二枚、今年もよく聴きました。コピーした曲は違う風にも聴こえてくるので、来年もまだまだ聴くことになりそうです。 合計 12曲中、コピーを終えたのはまだ二曲。先は長いです。
Jam Ka Deux / 小沼ようすけ
クレオールジャズという新しいジャンルに挑戦されている小沼さんの作品(ジャムカの2作目)。
小沼さんを聴き始めたのはHOP STEP JAZZ!
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がきっかけですが、すっかりハマってしまっていて、本作も発売以来毎日リピート。 こんな風にジャズの即興性、演奏力を武器に新領域を開拓していきたいものです。それこそがジャズであるとも。
Valse Hot Sweet Basil 1978 / Jim Hall & Red Mitchell
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ただ発掘しました、ではなく当時のありえたかもしれない作品を今、リリースしたといった感じの正統派な発掘作品。 選曲も音作りも最高なわけです。その分、他の曲がリリースされませんでしたが。 Jim Hall の外せない作品が一枚増えました。AtristShareに拍手。 2ヶ月ぐらい毎日リピートで聴いています。来年も聴きそうです。
Equilibrium / Kristjan Randalu & Ben Monder
このDuoもよく聴きました。演奏力という点ではピアノとギターのDuoではトップクラスではないでしょうか。他の最近のDuo作品にはない特徴としては、スタンダードを演奏している点が上げられます。最先端のギターとピアノのDuoがスタンダードをどう解釈・演奏するのか。聴き込むとまだまだジャズは先へ先へと進むように思えます。
Free Flying / Fred Hersch & Julian Lage
これは僕の考える理想のサウンドに近くて、かなり聴いています。 ハーシュの曲にJulian Lageが入ると原曲にはない民族の匂いのようなものが付加されて、それが新しさに繋がっている、他のどのDuoにもないサウンドです。Pat Methenyは何をやっても広大な大地のような雰囲気が必ずありますが、Julian Lageも同様に何かの雰囲気を強く持っています。これは新世代で他の人にはない特徴ではないでしょうか。
Daydream Sounds / Libstems
https://itunes.apple.com/jp/album/daydream-sounds/id874290922?uo=4&at=1000lhe
ジョン・スコフィールドとは違うロック感をジャズに導入した画期的なアルバム、と言っていいのではないでしょうか。最初に聴いたときには思わずオーと声が出ました(僕はギターものの新し目なのはあまり聴いていないので、他にも重要な作品がたくさんあるのかもしれませんが)。 ジャズの文脈でディストーションを導入するとフュージョンになると思うのですが、本作はそうなってはおらず、2010年代の新しいジャズのサウンドになっているという不思議さ。それは新しい感覚を和田さんが持っているからなんでしょう。 と書くとギターものな感じがしますが、そんなことはなくて、アンサンブルが本当に素晴らしい、曲がかっこいい。これが日本の若い人達で作られているなんで、なんてこったい!というサウンド。オススメです。
Kind of Blue / Miles Davis
僕がジャズと言われてイメージするのはこのサウンドだったりします。今年もやたら聴きました。どうやらジャズで一番売れているアルバムみたいです。 歴史的な話としては、本作から事実上モード・ジャズが始まったという見解が一般的なようで、その際に要請されたのがビル・エバンスで、なぜならジョージ・ラッセルに師事していたから、というのと、ジム・ホールがビル・エバンスにかなり影響を受けたことを表明している点はジャズ・ギター史においても重要かと思います。
いつか研究してやろうと狙っていまして、コーダル(和音、コード進行中心)なアプローチがある程度納得できるぐらい出来たら、と思っていますがいつになるやら。
We Are the Drum / Kendrick Scott Oracle
https://itunes.apple.com/jp/album/we-are-the-drum/id1030589834?uo=4&at=1000lhe
これもよく聴きました。一曲目からしてもだいぶヤバい感じですので、試聴オススメします。 サウンドとしては、超人ばっかり集まったらこうなるのかー系ですが、マイルスの第二期クインテット(黄金クインテット)の方向性を突き詰めるとこういうなるか、という感じです。やっぱりドラムが超人で、リズムがとんでもないレベルの場合、こういうサウンドになるように思います。 そして本作は マイク・モレノ がギターで参加しているので、ギターが加わった場合の先端の先端のジャズはこういうものだ、という雰囲気が味わえます。
2017年もよい音楽に出会えますように。
INSTRUCTIONAL DVD FOR GUITAR / Jim Hall
「そういえば、Jim Hallがどうやって弾いているか、動画を見て研究したことがないなぁ。昔ギターやってたときは好きなギタリストのブートのVHSを必至で探して買ってたのに」 と思って、最近はたまにJim Hallの動画を探しています。
意外と作品としてまとまっているものは少ないと思います。
Jim Hall アルバム蒐集 さんの DVD カテゴリを見てみると
の二つの教則ビデオが気になります。
INSTRUCTIONAL DVD FOR GUITARを買ってみました。
内容はとにかくJim Hallの手元のクローズアップ中心の演奏が以下の6曲収録で、演奏後解説が少々という形式。スタジオ収録ライブDVDとしても楽しめます。
- Subsequently
- Two's Blues
- Three
- All Across The City
- Something Tells Me
- Something Special
1993収録ですが、元気に立って演奏していて、内容もいいです。
- Subsequently (Music Masters, 1992)
- Youkali (CTI, 1993)
- Something Special (Inner City, 1993)
- Dedications & Inspirations (Telarc, 1993)
あたりのオリジナルをバンバン出していた時期ですね。
2曲目 Two's Blues では最初レコーディングレベルを上げ過ぎていて音が割れているのですが、途中でかなり下げられて小さくなりすぎたりと、録音クオリティは今一つ。
このDVD、冊子が付いていていまして、#○○だとか譜例に番号まで振ってあるあるのですが、ここは#○○だよ!などの解説があるわけではないのと、海外版なので字幕もないし、なかなか読み解くのは難しいです。が、All Across The Cityの各コードのダイアグラムが載ってたりとなかなかよい素材です。
ちなみに All Across The City は演奏後にコードの押さえ方を全部実演してくれます。これが大変美しい!
アルバム「All Across The City」収録の Something Tells Me ではソロ・ギターが見られます。固定アングルのため、全運指が見られますので完全コピーを目指してもいいかも。
一番最後には、なんとチャーリー・クリスチャンの Boy Meets Goy(Grand Slam) のソロを弾きます。しかも間違う!笑
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全部通して見てみると
- シングルノートはフロントピックアップの真ん中当たりを弾く
- コードを弾くときは15フレット〜フロントピックアップの中間あたりを弾くことが多い
というのが分かりました。
これだけクローズアップが見られるものは少ないと思いますので、オススメです。
ビル・エヴァンス ジャズピアニストの肖像 / ピーター・ペッテインガー
ビル・エヴァンスの一生を詳細に書いた本です。
ほとんどの作品のレコーディングについて、どうだった、内容はこうだ、ということが自身もピアニストの著者により詳細に書かれています。
Undercurrent / Intermodulation に関してはそれぞれ1ページずつ書いてあります。
Intermodulation のページでは次のような記述があります
「ジム・ホールと共演するのは大好きだった。彼の何が素晴らしいかといえば、彼はひとりでリズム・セクション全体のようなんだ。<ジャズ・サンバ>という曲があるが、あの曲はリズム・セクションを入れてもああいう仕上がりにはならなかったはずだ。あのように陽気で動きのある感じを出すのは難しいんだ。」
なるほど、たしかに<ジャズ・サンバ>は二作中でも異色で、他の可能性を感じる演奏です。
他にもKind Of Blueでのマイルスとのやりとりなど、面白いエピソード満載なのでオススメです。
Undercurrent / Bill Evans and Jim Hall (3) 2016年再発版はまた音が違う
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で書いたUndercurrentのヴァージョンによる音の違いですが、気になったので2016年版を買ってみて今日届きました。
2016年版もたぶん2010年版と同じではないかと書きましたが、違いました。
それぞれ
- 2016年版はピアノがセンターより
- 2010年版はピアノが右より。音圧がある。ギターとピアノの分離がよく聞こえる
という感じです。
動画でご確認ください。
- 2016年版
- 2010年版
- Apple Musicで聴けるバージョン
の順に再生しています。
Apple Musicで聴けるバージョンはたぶんですが、2016年版と同じです。 2010年版だけが異なるミックスということになります。
2010年版はピアノが右よりなので、分離がよく聞こえるのは間違いないと思います。
耳コピにはこちらが向いているのではないかと思います。
2016年版は新ライナーノーツとあるのですが、2010年版より内容は薄くなっているように思います。
Undercurrent / Bill Evans and Jim Hall (2) 収録曲
Undercurrentの収録曲を調べてみました。
1. My Funny Valentine (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
スタンダード中のスタンダード。 一番有名なのはMilesの演奏でしょうか。
この速いテンポで演奏されるのはめずらしいと思います。
最初は曲名を見ていなければMy Funny Valentineに聞こえない人も多いのではないでしょうか。
この曲でJim Hallが4分音符ごとに違う和音を弾くパートがあって、それが"ハーモナイズド・ベースライン"という名前で有名です。
2. I Hear a Rhapsody (Jack Baker, George Fragos, Dick Gasparre)
こちらもスタンダード中のスタンダード。 My Funny Valentineでワーっと驚いて、次にこの曲のイントロでぐっときてやられた、という方も多いのでは。
この遅いテンポで演奏されるのは珍しいと思います。
Jim Hallが普通のテンポでLIVE!でやってます。 https://itunes.apple.com/jp/album/i-hear-a-rhapsody/id13490614?i=13594530&uo=4&at=1000lhe
3. Dream Gypsy (Judith Veveers)
Judith Veveers作曲とありますが、これ検索しても誰だか分かりません。誰かの変名じゃないでしょうか。他に作った曲も出てきませんし。 契約関係でクレジットを別の名義にしたんでしょうかね。 次のRomainがJim Hallのオリジナルですし、Bill Evansのオリジナルが入らないのはおかしい。曲調的にEvans作曲と言われても違和感ありませんので、ひょっとして。 後にElvin Jonesがやってたりします。
4. Romain (Jim Hall)
Jim Hallのオリジナル。ですが、これは不思議で、その後、たぶん演奏していません。 なんででしょうか。Jim Hallは結構自分のオリジナルを何度も何度も演奏・収録する人なんですがめずらしい。
5. Skating in Central Park
は John Lewis 作曲。
ジョン・ルイスはピアニストで、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のリーダー。
1959年リリースのMusic from Odds Against Tomorrowというサントラの一曲目。
Music from Odds Against Tomorrow - Wikipedia
6. Darn That Dream (Eddie DeLange, Jimmy Van Heusen)
は1939年リリースのスタンダード。
マイルスも、モンクも、チェット・ベッカーも、名だたる巨匠がやっていますね。
最近だと、カート・ローゼンウィンケルがやってます。
振り返りますと、(たぶん)それぞれのオリジナルが一曲づつ、スタンダードが3曲、当時としては新しめの曲が一曲という構成。 Intermodurationと同じ感じですね。ただMy Funny~がキャッチーなのとジャケットの美しさ、ギターとピアノのデュオの先駆けであることから、だいぶ今作が有名になった、ということではないかと思います。